暑さがひと段落し、欲しいと思っていた雨が降った。曇天、笹濁り、活性の高い水温の3条件がそろった絶好のコンデション。普段はどこにいるのか分からない良型のニジマスが、
瀬につきだす時期で、ヒットした瞬間に大ジャンプを繰り返す強烈な引きは、一度経験すると、病的な記憶となる。このメインは遡上型ニジマス。欧米ではスチールヘッドと呼ばれ、カナダやカムチャッカではメーター級のものがいるらしい。さすがにそんなものはいないが、8月後半~10月初旬に50~60cm級のものがポツポツ釣れる。グリーンバックが薄めのタイプと文字通り黒いバックのタイプがおり、どちらもニジマス独特のサイドラインが薄い。この歴船川は別名「暴れ川」といわれ、中下流域では数年ごとに川筋が変わる。水深も浅めで流れは思うより速い。ミノーをうまく操ってヒットまで持ち込む技量とヒットからランディングまでの操作がかみ合ってはじめて釣果としてあらわれる。どちらが欠けても「また、来年!」とあしらわれることが多い。いよいよラスト1ヶ月。数が釣れる河川はほかにたくさんあるが、ド級のパフォーマンスを味わいたい腕自慢には挑戦意欲がかきたてられる川である。